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遺言書

遺言書

「遺言を残すほど財産はない!」
「遺言なんて縁起が悪い!」
「相続で家族がもめるわけがない!」

このように、遺言なんて自分には関係ないと考える方が多いようです。しかし、本当にそうなのでしょうか?

1.遺言について

① 遺言とは

遺言とは、人の最期の意思を尊重し、死亡後にその実現を確保するものです。カンタンに言えば、財産、家族、供養などについて「自分が死んだらこうしてほしい」という思いを遺族に対して伝え、実行してもらう手段のことです。

一般的には、メモ書きやビデオレターなども遺言に含まれるとされていますが、これらには法的な効果はありません。つまり、遺族は亡くなった方の思いが分かるだけで、その内容に縛られることはないのです。

そこで、相続人などに対して法律的な権利や義務を発生させたいと考えているなら、民法で決められている方式に従った遺言をする必要があります。この方式については、後ほど説明します。

さて、遺言というと「死の差し迫った人間が残すもの」というイメージがあると思いますが、私はできるだけ健康なうちに遺言されることをおすすめしています。「自分の死」を見つめて作成するというより、残される「家族の生」を思いやり作成することが、遺言の本来の姿と考えているからです。

② 遺言と相続

    遺言を残さず亡くなった場合、その財産すべては民法に定める割合に従って、相続人みんなで共同所有(= 法定相続)することになります。そこで、誰がどの遺産を引き受けるのかなどを決めるには、相続人による話し合い(= 遺産分割協議)が必要となります。

しかし、その協議がうまくいかず、ドロドロとした親族間の争いが発生することは、決して珍しいことではありません。遺産を巡るトラブルは、どんな家庭にも起こりうるのです!

そこで、争いのない相続や自分の思い描く遺産分割を望むなら、遺言を残しておくべきでしょう。遺族は、亡くなった方の意思を尊重し、遺言に基づいた行動をしようとするはずです。

2.遺言の必要性が高いケース

トラブルの発生しやすい親族関係である場合や、相続人それぞれの現状を考慮する必要がある場合などは、積極的に遺言を活用すべきです。ここでは、その典型例を紹介しておきます。

☞ 夫婦の間に子供がいない
☞ 再婚したが、別れた前妻(または前夫)との間にも子供がいる
☞ 相続人にならない者(例:長男の嫁)に財産をあげたい
☞ 結婚していないが、内縁関係の相手がいる
☞ 家業の後継者が決まっている
☞ 相続人になる者が誰もいない
☞ 相続人ごとに特定の財産を相続させたい(例:長男は○○銀行の預金、妻は家と土地)
☞ 自分の死後に特に心配な相続人(例:老いた妻、病気がちの子供)がいる

3.遺言の方式

民法には6種類の遺言の方式(作り方)が定められていますが、実際に世の中で利用されている多くは、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つです。これらに的を絞って説明していきます。

① 自筆証書遺言

遺言者自らが「全文」「日付」「氏名」を手書きし、押印します。あとは、手元に置いておけばよく、その他に何ら手続きを必要としませんが、デメリット(欠点)も数多くあります。

メリット(利点) デメリット(欠点)
・いつでも誰にでもできる
・費用がかからない
遺言書の作成を秘密にできる ・文字の書けない者は作成できない
・偽造や破棄される危険性がある
・紛失する恐れがある
・方式の不備で無効となりやすい
・内容が不明確な場合が多い
・遺言の開封・執行には検認(※)の手続きが必要

※ 検認 … 家庭裁判所が遺言書の存在や遺言者本人の作成したものかどうかをチェックするもので、
遺言の保管者や発見者は、検認の請求をしなければならない。

公正証書遺言

遺言者が公証役場へ出向き、証人2人以上の立会いのもと公証人の面前で遺言内容を口述し、それを基に遺言の公正証書を公証人が作成します。内容を確認した遺言者・証人・公証人が署名押印することで完成し、原本は公証役場に保管され、正本と謄本は遺言者へと渡されます。
遺言をするなら、この「公正証書遺言」をおすすめします!

メリット(利点) デメリット(欠点)
・字の書けない者などでも対応してくれる
・偽造、破棄、紛失の危険性はない
・方式不備により無効になることはない
・公証人が相談に乗り助言をしてくれる
・病気等の場合は公証人が出張してくれる
・遺言の開封・執行に検認の手続きがいらない ・費用がかかる
・手続きが厳格で手間がかかる
・証人に適した者を探す必要がある

4.遺言でできること

民法の方式に従った遺言をした場合、実際に法的な効果をもたらす事項は、原則として下記のものに限られています。少し内容が難しいので、参考までにサラッとご覧ください。

ちなみに、せっかく遺言をするのですから、家族へのメッセージや遺言をする動機なども記しておくのがよいでしょう。相続人の対立を生じさせるような文言やあやふやな表現は、できるだけ避けることもポイントの1つです。

① 相続に関すること

(1) 推定相続人の廃除 自分に対し虐待を行った者などを相続人から除く 
(2) 相続分の指定 法定相続分とは異なる指定をする
(3) 特別受益者の相続分の例外 生前贈与や遺贈を受けた相続人の相続分についての例外を定める
(4) 遺産分割の方法の指定 遺産分割について「妻には土地」「長男には車」などと指定する
(5) 遺産分割の禁止 遺産分割を最長5年まで禁止する 
(6) 共同相続人の担保責任の定め 遺産分割の結果、相続人の負う責任の例外を定める
(7) 遺贈の遺留分減殺の割合の例外 遺留分の減殺の順序や割合について例外を定める

② 遺産の処分に関すること

(1) 遺贈 抽象的な割合での遺贈(包括遺贈)や、特定の物などを目的とする遺贈(特定遺贈)をする
(2) 信託の設定 遺言者が財産を信託銀行などに託し、管理・運用してもらった成果を相続人に交付する
ための設定をする 

③ 身分に関すること

(1) 認知 法律上の婚姻関係のない男女間に生まれた子を認知する
(2) 未成年後見人の指定 最後に親権を行う者が親権者と同じ権利義務をもつ後見人を指定する
(3) 未成年後見監督人の指定 最後に親権を行う者が後見監督人を指定する

④ その他

(1) 遺言執行者の指定 相続財産の管理や遺言の執行に必要な行為をする遺言執行者を指定する
(2) 祖先の祭祀主宰者の指定 仏壇・墓などの祭祀財産を引き継ぎ、祖先をまつる者を指定する

 

5.遺留分について

遺言をする際、遺留分は切っても切り離せない関係です。

例えば、父親が死亡し、相続人が長男、次男の2人だけだったとします。『全財産を長男に相続させる』という遺言がされていた場合、次男は決して何ももらえないわけではなく、ある一定の割合の相続財産が確保されているのです。

この法定相続人(兄弟姉妹を除く)に必ず残しておかなければならない財産の割合を遺留分といいます。遺留分の算定は少し複雑ですので、ここでは省略しておきます。

上記の例で、次男は自分の遺留分まで取られてしまっているという請求(= 遺留分減殺請求)を長男にすることで、財産の一部を返還してもらえるという仕組みになっています。

ちなみに、遺留分を侵害する遺言は、当然に無効ではありません。つまり、『全財産を○○に相続させる』いう遺言をしても、遺留分のある相続人が、「財産はいらないから請求もしない」というのであれば、遺言の内容通りにその方が財産を取得することになります。

しかし、みなさん想像できますよね!!遺留分を侵害する遺言は、相続人間のトラブルの火種です。遺留分に配慮した遺言書を作成することが、大きなポイントになります。

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